日本の南極地域観測事業は、1957年1月29日の昭和基地開設以降、今年で50周年を迎えた。南極地域観測隊と観測活動に必要不可欠な物資を輸送する南極観測船は、これまで「宗谷」「ふじ」「しらせ」が活躍し、「しらせ」に継ぐ4代目の南極観測船として新しらせの建造が、2005年から進められている。
南極観測船は、前進と後進を繰り返し、氷を割って推進するため、前進後進の切り替えが容易な電気推進装置が利用されている。その電気推進装置には、南極までの単独航行と南氷洋(南極海)での砕氷という、過酷な使用環境に耐える信頼性が要求されている。
日立によると、今回納入した電気推進装置は、交流3,000V級5,516KW推進用電動機および電力変換器盤の各4式と、制御盤類、推進電動機用変圧器などで構成。電動機を水冷式絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ(IGBT)インバータで駆動するという国内では数少ない高電圧の艦船用電気推進装置である。
この電気推進装置により、水面が厚い氷で覆われる氷海域において、連続砕氷を行うための低速域での高トルク出力を確保する。それとともに、推進用プロペラに氷塊が干渉した際に、氷塊をせん断および圧壊する高トルクを実現しているという。
日立製の電気推進装置は、新しらせの建造を行っているユニバーサル造船の舞鶴事業所(京都府舞鶴市)にて、今後、新しらせに搭載される予定である。
日立は今後、艦船の電気推進化および電気推進技術のさらなる発展に貢献していくという。
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